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2020年4月16日

中国「県長」のライブ中継がピンチをチャンスに変えた!新型コロナウイルスがもたらす「変化」とは?

みなさま、こんにちは!
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下:新型コロナ)の拡大により、人と人が接触する機会をできるだけ減らす「ソーシャルディスタンス」、「リモートワーク」や「在宅ワーク」のようなあんまり聞いたことのない言葉も、最近が耳慣れてきた人も多いでしょう。
そう、このような変化は、我々の生活の中では、知らないうちに起きています。私たちのライフスタイルや消費行動にも大きな影響を与えているのです。
デジタルの活用が加速しているなか、移動の制限により、Eコマースの利用も世界各国では加速しているようです。
韓国産業通商資源部が3月30日に発表したデータによると、2月の主要オンライン小売売上は前年同月比34.3%増となった。 これは、大手小売店の売上統計を調整した2016年6月以降で最大の増加となっています。
また、ジェトロ(日本貿易振興機構)の調査によりますと、中国政府によって海外への団体旅行が規制された1月27日以降から、特に越境ECで日本製品を購入する動きが拡大しているそうです。外出規制による在宅時間の増加に伴い、ネットショッピングに充てる時間が増えたことも取引増に寄与したものと考えられます。
中国最大手の検索エンジン―百度(バイドゥ、Baidu)が発表した調査では、自粛期間中の「ライブ」の検索量は前期より120%増だそうです。(下図)

みなさまご存知のように、中国ではライブコマースがものすごく流行っています。ライブコマースとは視聴者とキャスターが、双方向にコミュニケーションをしながら商品を紹介しながら販売するひとつの手法です。

新型コロナの影響から消費が落ち込み、農業・副業の多くが販売不振に見舞われ、農産物や副産物は出荷も販売もできなくなり、多くの農家が粒状無収入、あるいは倒産に直面しています。こういった厳しい問題を解決するため、淘宝(タオバオ、TAOBAO)や抖音(中国版TikTok、読み方:DOU YIN )をはじめ、いろんな電子商取引プラットフォームでは、新鮮な果物や野菜をライブで販売するためのサポートを始めました。私が特に面白いと思うのは、こちらの【県長ライブ】です。(県:日本の県と違って、中国の行政区分で市の下に当たります。ここの県長は、県の中でのトップの意味です。)

今まではスーツ姿で真面目だった「県長」たちも、ライブでは袖をまくり上げて歌い、お茶を飲んだり、料理をしたり、商品を運んだり一生懸命各地方の農産品のピーアルしている姿がネットで話題になり、かつての硬いイメージもがらりと変わってきました。

関係統計によると、ライブを開始して以来、「県長ライブ」シリーズ全体では、オンラインとオフラインの販売の2億元(約30億円)以上を達成したそうです。

もう一つ面白いのは、自粛期間中に深刻な影響を受けた多くのショッピングモールは、”クラウドショッピング “をライブアプリで始めています。休業中の百貨店が販売員ちをライブのキャスターに仕立てし、ライブで商品の販売をやっていたのです。

銀泰百貨(Yintaiデパート)担当者の話によりますと、一人の美容部員が3時間で接客できた消費者の数は、平日の6ヶ月間に相当すると、また1回のライブでの売上は、店舗の通常の1週間の売り上げに相当するそうです。

エスティローダーやランコム、NIKEなど多くのブランドも、ガイド付きショッピングライブを開始して商品の販売をしているそうです。

つまり、全員がキャスターになれる時代に突入しています。従来のKOLを活用したライブコマースモデルの中身が少し変わってきています。

2020年からの中国「ライブコマース」は、 全員がキャスターになるのが一つの傾向になります。「県長ライブ」、「クラウドショッピング」が人気を呼んだ一番の理由は、もちろん社会的な背景もありますが、消費者たちのブランドとリアル店舗への信頼感があったからのではないでしょうか。

「県長」が政府の代表という立場から、商品の品質を保証してくれています。「クラウド部員」はリアルの店舗(百貨店)があったうえ、百貨店に入れられている商品もある程度知名度もあり、安心できます。

このように消費者とブランドの間に信頼関係という「絆」が結ばれ、KOLとフォロワーとの間でも同じです。様々な制限が多いなか、物理的な距離があっても、心理的な距離は、すぐに縮まります。もちろん、普段からの地道なブランディングプロモーション活動もものすごく重要です。

つまり、オフラインあってのオンランです!我々にとっては、ほとんどの生活がオンラインだけでやっていけますが、やっぱり人と会わなければいけない、外に出なければいけないと思わせてくれるのも、今回の新型コロナでしたと言っている人もいます。

JNTO(日本政府観光局)の発表によれば、2020年2月の訪日外客数は、前年同月比58.3%減の108.5万人となりました。なかでも訪日中国人観光客は前年同月比87.9%減となりました。

新型コロナ感染拡大の懸念が増える中、インバウンド業界は今までに経験したことのない状況に見舞われています。訪日観光客(見込み客)とのタッチポイントが減少していますが、オンラインでのコミュニケーションを強化しつつ、新しい市場へ振り向け海外販路開拓のよいきっかけになるかもしれません。

中国では「危機は転機でもある」という言い方がありますが、こういうときこそ、危機を転機に、ピンチをチャンスに、というポジティブな思考はとても重要です。

訪日外国人向けプロモーションや越境ビジネスにおけるデジタルマーケティングサービスを提供している私たちペイサーとしても、国内外のパートナー企業と共に、少しでもお役に立てればと思いますが、ぜひとも気軽にお問い合わせください。

最後になりますが、一日も早く新型コロナウイルスが終息し、皆様が平穏な生活を取り戻せるよう心からお祈り申し上げます。

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