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越境EC

2020年12月22日

急成長中のライブコマース売上げTOP5ライバーを解説! ~史上最高記録を更新したW11を振り返り~

みなさん、こんにちは!

前回ブログでも紹介しました11月11日に開催した中国最大のECセール「独身の日」セール「ダブル・イレブン」がまたも史上最高の記録を更新しました。

まずはその結果を振り返りましょう。Tmallを運営する最大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)と、「JD.com」を運営する京東集団の2社合計の2020年の取扱高(GMV)は、前年比62.8%増の7697億元(約12兆円)となりました。

アリババグループが2020年11月12日に発表したデータ(下図)によりますと、天猫TMALLプラットフォームでは、過去最大となる25万以上のブランドが参加し、そのうち3万1千の海外ブランドが中国向け越境ECを通じて参加したそうです。最終的なGMVは前年比26%増で過去最高となる4982億元(約7兆7,200億円)を達成しました。

EC大手の京東の注文総額は32%増の2715億元(約3.4兆円)となり、2社とも過去最高記録を更新しました。

ライブコマースは販売者にとって、欠かせないマーケティングツールとなっています。アリババのライブコマースサービスであるタオバオライブでは、30以上のライブ配信が GMV 1億元(約15億円)を達成したそうです。

ライブコマースとは

今、中国で非常に盛り上がっているライブコマースとは、リアルタイムでライブ動画を視聴しながらオンラインショッピングできるLIVE配信型Eコマースです。ライブコマースは中国においては、大変人気かつ一般的な販売手法とも言えます。そしてその市場がいま、中国で急成長をしています。

では、中国におけるライブコマースの市場規模はどのぐらいなのでしょうか?

2019年の流通総額は4338億元(約6.8兆円)となっていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により需要が急増し、2020年の流通総額は9610億元(約14.6兆円)になると予想されています。

そして、中国のEC大手が相次いでライブコマース事業に参入しています。

(出典:「ライブEC生態進化論─2020ライブEC業界研究報告」(微播易)より引用)

アリババテンセント抖音(Douyin/海外版はTikTok)、快手(Kuaishou/海外版はKwai)、拼多多(Pingduoduo)、京東(JD.com)、蘇寧(SUNING)など、新型コロナウイルスによる自粛期間中にライブコマースを支援するキャンペーンを積極的に行ったのも、急成長した理由の一つです。

現在、ライブコマース市場のシェアTOP3は、淘宝直播(Taobao Live)抖音快手で、2019年の売り上げは3社合わせて約4400億元(約6.7兆円)に達しました。その内訳は、淘宝直播(Taobao Live)が2500億元(約3.8兆円)で、快手は約1500億元(約2.3兆円)、抖音は約400億元(約6138億円)となっています。

備考:
淘宝直播(Taobao Live):中国で一番ユーザー数が多いECプラットフォーム。
抖音(Douyin):ショートビデオの媒体ですが、近年ECライブコマースのプラットフォームとしても活躍しています。
快手(KuaiShou):抖音(Douyin)とほぼ同じ種類のプラットフォームで、最初はショートビデオの媒体ですが、近年ECライブコマースのプラットフォームとしても活躍しています。

今年の「ダブル・イレブン」で盛り上がりを見せるライブコマースですが、主役はライブコマースに登場するライバー(中国語では主播ZHUBOと言います)です。

さて、今年の「ダブル・イレブン」期間中(2020年10月21日―11月11日)、ライブコマース売り上げTOP5のライバーランキングを本記事でまとめてみました。

(出典:(胖球数据)より作成)

第5位 蛋蛋

プラットフォーム:快手(KuaiShou)

販売件数:1337万件

販売額:11.6億元(184億円)

ライブコマース1時間で、9000万個のを売り出し、80分間でなんと16億円総額の商品を販売しました。アバレル、食品とコスメなど、得意ジャンルが幅広いのが特徴です。

第4位 雪梨_Cherie

プラットフォーム:Taobao

販売件数:646万件

販売額: 15.1億元(約240億円)

KOLだけではなく、Taobaoで “钱夫人”という店を運営している雪梨Cherie。独自のファッションセンスで人気を集めています。

当初は中国の富二代※との恋話で注目を集めるなか、自身はファッション系のKOLとして確実にファンを獲得しています。特にアパレル系が得意です。

富二代:「とみにだい」、中国の新興富裕層の子供たちのことである。

 

第3位 辛巴(本名:辛有志)

プラットフォーム:Kuaishou

販売件数:2506万件

販売額:36.5億元(580億円)

Kuaishouではフォロワーは7000万人で、ライブ配信時は平均200万人もの視聴者がいる辛巴。

11月1日、Kuaishouでライブコマースを実施し、12時間以上にわたる生放送で総売上高は18億8000万元(約290億円)に達し、1回のライブ配信による売上高として辛巴氏個人の記録のみならず、ライブコマース界における最高記録も更新しました。

第2位 李佳琦Austin

プラットフォーム:Taobao

販売件数:3862万件

販売額:87.6億元(1391億円)

「口紅王子」と呼ばれ、女性、若者の間で非常に人気のあるライバーです。男性ですがコスメに強いKOLで、2018年、2019年タオバオライブコマース内でコスメランキング1位であり、配信の平均視聴者は150万人を超えます。

第1位 薇娅viya

プラットフォーム:Taobao

販売件数:3040万件

販売額:70.6億元(1121億円)

2003年に北京で自身のアパレル店を開き、その後10店舗以上拡大させた、女性経営者である薇娅viya。11月11日、独身の日と言われる、アリババが実施する過去のEコマースセール・キャンペーン期間では1日で3.3億ドル(約344兆円)を販売したことがあります。

中国国内ライブEコマースで常に上位に入るライバーです。カテゴリーとしてはメイク、食品、電化製品、日用品、本、映画で活躍しています。過去のブログで紹介したことがあります。http://pacer.jp/blog/1731

まとめ

今回のアリババが発表していたデータによると、中国向け越境ECにおける国・地域別のGMVランキングでは日本が2016年から5年連続で1位を獲得したそうです。訪日旅行規制が続いている現在、日本の商品に対する中国消費者の需要が依然と高いことが分かります。

中国ECでの販売拡大には今後ライブコマースの活用が必須となりそうです。多くのブランドが注目する人気ライバーは起用する費用もますます高額になると想定されるため、自社に適したライバーを見極め、他社との差別化を図りながら、マーケティング戦略を立てる必要があります。

今回は「ライブコマース」についてご紹介しましたが、少しでもご興味があれば実施事例などの紹介と無料相談も承っておりますので、気軽にお問い合わせください。

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